社外CFO(パートナーCFO)の全体像

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社外CFO(パートナーCFO)の全体像

CFO(最高財務責任者)は、CEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)などの事業系経営陣と並んで、他に優先して置かれることが多い管理系の経営者です。
大企業の中には、この他に人事関連を統括するCHRO(最高人事責任者)、経営企画や広報IRの責任者としてCSO(最高戦略責任者)などを盤石に配備している企業もあります。

一方の中小・ベンチャー企業では、費用面からも、せいぜい経営者の他に事業系責任者を数名置くのが精一杯ではないでしょうか。
この場合、必然的に高度な仕事のさばきは経営者ひとりの両肩にのしかかってきます。
しかし、どんな経営者も、経営・事業・組織などが分かっていて、経営マターの分析・資料作成・社内社外の調整などを一手に引き受けてくれる客観的かつ実用的な存在が、常駐でなくともせめて近くにいてほしいと考えたりするものです。
そこにプロとしての社外CFO(パートナーCFO)の存在意義があります。

社外CFO(パートナーCFO)には、「CEOがやらない業務をすべて請け負う」ぐらい幅広いものが求められます。
それらの代表的なものを次のように掲げています。

  1. 全体管理
  2. PL/CF改善
  3. 組織マネジメント
  4. 資金調達
  5. 採用
  6. 新規事業
  7. Exit(IPOやM&A)
  8. 事業再生・承継

① 全体管理

企業の全体を経営管理する業務です。すなわち、企業のミッションやビジョンを確立し(理念策定)、それに則って戦略を策定し、組織を整える。戦略を数値に落として事業計画を立て、会議体を設計するなどしながら計画を推進する。PDCAを回しながら成長を果たしていくというものです。

なかでも重要なのが成長戦略です。企業は必ず成長を志向します。経営者(CEO)はいったん事業が回りだせば、より多くの利益を上げたいと考えるでしょうし、その事業が世のため人のためになると信じられれば、より拡大させる使命があると考えるでしょう。このように、成長は企業経営の始まりであり、根幹です。その成長戦略をCEOと一緒に立てていく、あるいはCEOが立案するのをサポートするのがCFOの役割となります。
CFO特有の中立的な立ち位置を活かして合理的に戦略を立てること、数字に強いという特性を活かして戦略を適切に数値化・可視化することなどが役割です。

② PL/CF改善

PL(損益計算書)/ CF(キャッシュフロー計算書)の改善は、CFOの主要業務の一つになります。
CEOからの依頼で改善策を講じる場合もあれば、CFOが自ら気づいて進める場合も、外部の例えば銀行や投資家からの依頼で進める場合もあります。いずれにせよCFOがリードしてCEOや外部関係者の数値的要望を確認しながら改善策を講じ、従業員を巻き込んで実現化していく役割です。

③ 組織マネジメント

組織マネジメント業務の中心は本業、すなわち商品やサービスを作ったり売ったりする業務になるので、基本的にはCOOがメイン担当者になります。しかしCOOが組織マネジメントを体系的にまでは理解していなかったり、目の前の問題に追われていて全体の枠組み作りにまでとても手が回らなかったりする場合、CFOにそのサポートが求められることは十分考えられます。特に人的マネジメントの分野においては、CFOがフレーム立案などのアドバイザリー業務を積極的に行っていくこともあって良いでしょう。
CFOは立場も中立的ですし、組織の潤滑油的な役割もできます。

④ 資金調達

資金調達もCFOの主要業務です。Debt調達であれば金融機関との交渉の前面に立つことも多いです。Equity調達であれば投資家との交渉の前面に立つCEOをサポートしながら実務面をトータルでフォローするのが役割です。

⑤ 採用

中小ベンチャーにおける人材採用は、基本的にはCEOの魅力に依るところが大きいものです。CFOが採用のメイン担当になるケースはあまりないと思いますが、「太陽に対する月」のように、たとえば面接時などにギラギラと熱くまぶしい存在であるCEOの脇に穏やかで冷静なCFOがいると応募者が安心する、といったことがあるかもしれません。採用のプロセス全体を整備したり、進捗管理などで手の届いていない部分をフォローしたりする役割があります。

⑥ 新規事業

新規事業を担うのは基本的にはCEOです。COOや一般スタッフが既存事業を推進していく傍らで、ネタ探しも含めて新規事業を開拓していくのはCEOの役割です。しかし稀にCEOにあれもこれもとやりたいことが多すぎるような場合、緊急避難的にCFOがそのうちの幾つかを担当することが考えられます。新規事業のフレーム作りのような業務も役割です。

⑦ Exit(IPOやM&A)

IPOやM&AといったいわゆるExitは、中小ベンチャー企業では十分起きうる局面です。Exitは様々な数字や文書を扱う非常に専門性の高い業務なので、CFOが担当するのが一般的です。高度な知識が求められることも多いので、外部の専門家とタッグを組み、コーディネーター的に動いていくことも役割です。

⑧ 事業再生・承継

事業再生は、企業経営における究極的な局面です。中小ベンチャーは本質的に大きなダウンサイドのリスクを抱えながらビジネスを展開しているとも言えるわけで、事業再生はある意味隣り合わせです。そのような局面で冷静な舵取りをアドバイスする役割があります。

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